オカルト・怪談・UMAあたりを広く浅く愛し、真実を探求したいブログ

密室妄想クリエイティブ

怪談

【実話怪談】夜中の訪問者

投稿日:2021年1月11日 更新日:

いいね!
読み込み中...
ホテルの和室

小学校5、6年くらいの頃。
家族ぐるみで付き合いのある友人家族とウチの2家族で、東京都郊外にあるテーマパークに行った後、その付近にあるホテルに宿泊した。

両家の父親は仕事の都合で来れず、僕と妹と母親、友人とその弟と母親の計6人だった。

小学生なので昼間、テーマパークで遊んだ後も元気で遊び足りなかったし、ホテルについてからも眠さはまったく無くて、夜中のテレビはなに観るかなんて友人と話していた。

そのホテルというのは、そこまで大きくはなくて大浴場や食堂は無く、どちらかというとビジネスホテルのような必要最低限の施設だけあって、スタッフの人数も少なそうなところだった。

平日ということもあってか、宿泊客も僕ら以外は見当たらず、館内はとても静かで、母親達は
「貸切みたいでいいわね」
なんて言っていたが、僕は入った時から妙に電灯や雰囲気が暗いことだけ気になったが、友人家族と泊まれることにテンションも上がっていたし、すぐにどうでも良くなっていた。

部屋は2部屋取っていて、夕食やら部屋の風呂に入り終わったあとは1部屋に集まってみんなで話していたが、せっかく2部屋あるので、僕と友人、それ以外の家族で分かれて寝たいと提案して了承されると、さっそく僕と友人の2人はもう1つの部屋にいった。

母親や妹達は疲れもあって、僕と友人がもう1つの部屋に向かう頃には寝ようとしていた。
その後、母親達とは別の部屋に来た僕と友人は、ようやく自由になれたとはしゃいでいて、部屋の真ん中に布団を敷いてテレビをつけながらずっと喋っていた。

それからどれくらい時間が経ったか、おそらく深夜の1時は過ぎていたと思う。

相変わらず、僕と友人は2人で布団に寝っ転がりながら深夜のバラエティを観ていたが、急にテレビがプツッと消えた。

僕らはいつ母親達が見回りに来ても良いように、部屋の電気を消して仄かな常夜灯だけが付いていたので急にほとんど真っ暗な状態である。

「あれ?なんで消えたんだ?」
「このテレビ、時間制とかじゃないよね?」

などと話していると、外の廊下と繋がる部屋のドアがガチャっという音とともに、キー...っとゆっくり開く音がした。

僕らは部屋の鍵をかけていなかったが、2人同時に、母親が見回りにきたんだと悟り、すぐさま布団を頭から被って寝たふりをした。
部屋のドアから布団が敷いてある寝室までの間に、トイレやクローゼットがある短い通路があるので、すぐに誰が来たかは分からない。

ミシ、、ミシ、、という足音がして誰かが入ってきたことは分かるが、僕らは布団を被って息を殺していた。
母親に起きていることがバレれば、早く寝ろと怒られてそれ以上、友人とテレビを観ながらおしゃべりが出来なくなってしまう。

その足音は、布団が敷いてある部屋まで来て、ピタリと止まる。
寝ているかどうか確認しているようだ。

寝ているんだから早く出てってくれよ、と思いながら音を聞いていると、
足音は、スッ、、スッ、、と今度は畳を進む音がして、こちらの布団に近づいてくる。

そしてそのまま、スッ、、スッ、、と布団の周りを周り始めた。

そんなに寝ているかどうか怪しまれているのかなと思いながら、友人とともに寝たふりを続ける。

おかしい、、、
僕らの布団の周りをその足音は周り続けている。
時計周りにずっと、スッ、、スッ、、という足音と気配がある。

母親ならば、声がけしてくるとか、布団をめくるとかあっても良いはずだが、無言でずっと布団の周りを周るだけ。

すると
「お・・・・お・・・・う・・・」

微かに声が聞こえてきた。女性とも男性とも判別しがたい曇った声。

それを聞いたとき、いよいよこの部屋に入ってきたのは、母親ではないのかもしれないと思い、急に恐怖で体が凍りつく。
なんだなんだ、、ホテルの人か、それとも他の宿泊客が間違えて入ってきたのか、、あれこれ考えるも何にせよ普通じゃない。

その者は、その後もずっと布団の周りを時計周りに周り続け、
「お・・・・う・・・・」
と何か微かにつぶやいている。

隣の布団の友人の様子は分からないが、おそらく僕と同じように異常な気配に息を殺しているのだろう。

何度か、布団を一気に剥いでそいつが誰か、確認しようかとも思った。
でも、恐怖で体が硬直しているのと、直感的に出てはいけない気がして、じっと目を瞑って耐えていた。

それからどれくらい経ったろうか
体感的には30分くらいだった気がするが、実際はもっと短いかもしれない。

ふっとその足音がしなくなり、同時に何者かの気配が消えたのを感じた。

確実に部屋の外に出ていった音はまったくしなかった。
でも、気配が消えて、そいつはいなくなったと思った。

その後もしばらく様子を伺っていたが、隣の友人に布団の中から声をかけた。
「いなくなったのかな・・」

「たぶん・・」
友人が同じく布団の中から答えた。

僕は恐る恐る布団から顔を出し、辺りを見てみたが、やはり誰もいなかった。
友人もゆっくりと布団から出る。

まだ緊張の糸は切れず、2人で震えながら通路やトイレ、部屋の外の廊下を確認するが、誰もいない。

「あれ何だったんだ」
「お母さん達じゃないよね?」

友人と僕は部屋を出て、静かに母親らがいるもうひとつの部屋を見にいく。
そっと中を覗いてみると、母親や妹達は、全員ぐっすり寝ているようだった。

そのまま自分達の部屋に戻ると、テレビをつけた。
すると何事もなかったかのように深夜のバラエティやCMが流れ始めた。

「おかしいよね絶対」
「うん、、ずっとぐるぐる周ってたもん」

さっき起こったことをあれこれ話しながら、
僕らは部屋の鍵をかけ、2人で1枚の布団に入って、いつしか寝てしまった。

翌朝、母親達のところへ行った僕たちは真っ先に聞いてみた。

「夜中、こっちの部屋にきた?」

僕と友人の母親2人や妹、弟達は
「行くわけないじゃん。すぐ寝ちゃったし」
と誰も来ていないという。

昨夜起きたことを話すも、
「疲れてたんだし、夢みてたんじゃないの??」
とまるで信じてもらえなかった。

その後は何事もなく、帰ってきたわけだが、今でも、あの深夜の訪問者が何者だったのか、分からないままである。


いいね!
読み込み中...

-怪談
-,

Copyright© 密室妄想クリエイティブ , 2021 All Rights Reserved.