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CS(カスタマーサポート)からCS(カスタマーサクセス)へチームを進化させるには

投稿日:2019年3月4日 更新日:

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電話しながら的確に対応するキャリアウーマン

10年ほど前まで「カスタマーサクセス」なんて単語は聞いたことがなかったが、ここ数年の間に随分と浸透してきた感がある。

昔は、お客様対応部門における「CS」といえば「カスタマーサポート」のことでしかなかった。
でもサポートの人間がずううううっと抱えてきたジレンマである、自分たちはコスト部門であり、誰でもできる仕事であり、社内での立場が弱い、という思いと、経営層が求める、より利益に貢献できるCSが合致し、「カスタマーサクセス」は生まれたように思う。

僕自身もまた、ずっと長いこと"カスタマーサポートチーム"の人間だった。
ただ次第にCSに求められるものが、"サポート"だけではなくなっていったし、より「攻めのCS」になっていくことで自分たちのプレゼンスを高められる実感があった。

なので、今だに正解はわからないが、チームをCS(カスタマーサポート)からCS(カスタマーサクセス)へ進化させるために色々と試行錯誤したことをまとめておきたい。

カスタマーサクセスってなに?なぜ必要?

よく「攻めのCS」とも呼ばれるが、ざっくりいえばカスタマーサクセスチームの動きにより、顧客の成功体験・満足度を高める⇒LTVが向上する⇒CSチームの会社側の利益にも貢献することだ。

当初、基本的にtoB(顧客は個人ではなく企業)のCSで言われることが多かった。
そのうち、CtoC(例えばメルカリ等)の個人でも収入を得られるようなプロダクトのCSやその他様々なCSでも言われ始めるようになった。

ただどこまでやるかの線引きは、各社の方針や認識によってかなり違いがあるように思う。

そのプロダクト・サービスを利用する顧客に成功してもらう、満足してもらう度合いや回数が増えれば増えるほど、当然、LTV(顧客生涯価値)は向上する。
サブスクモデルであれば、LTVの向上は会社の利益に直結する。

会社の利益への貢献度が高くなればなるほど、カスタマーサクセスチームのプレゼンスは上がり、評価される。

だからステークホルダーの誰もが幸せになれる、それがカスタマーサクセスだ。

これまでのカスタマーサポートはというと

これまでCS(カスタマーサポート)というと、ユーザーからの問い合わせに誠実に正確にお答えする、またご意見を伺ったら関係部門に共有する、あたりのことが業務のほぼ全てと言ってよかった。

なので評価の指標として、対応件数や1件あたりの対応効率、満足度あたりが主要KPIとなっていた。

しかし、これではCSチームとして会社の利益にどれくらい貢献できているか分からず、営業やマーケティングや開発部門と比べて、社内でのプレゼンスは決して高いとはいえなかった。

また、これまでCSは基本外注するものか、もしくはアルバイトがやるものみたいな時代があったので、今でもそういう"誰でもできる仕事"みたいなイメージが付きまとっている。

会社としても、例えば「使い方を教えて欲しい」などの普通の問い合わせを一般の正社員が受けるのは面倒、それは社員がやる仕事ではない、的な考えもあって、外注やアルバイトメンバーに任せてきたわけで、そういった諸々のことがCSをやる人間にネガティブな感情・印象を植え付けてきたといえるかもしれない。

そういう僕自身もまた、CSとして社会人のキャリアをスタートさせたときは、コールセンター業界の大手ベンダーでアルバイトだったし、CSがやりたいから入ったわけでもなかった。

カスタマーサクセスに求められること

カスタマーサクセスにおいて、最も重要なことは対応件数でも対応効率でも対応品質でもない。
顧客・ユーザーのLTV(顧客生涯価値)を最大化することであり、会社の利益に直結することなのだ。

そういったことを経営層が求めない、部署として求めないのであれば、それはそれで良い。カスタマーサクセスなんてことは気にせず、カスタマーサポートに徹すれば良い。

だがここ数年、自社の中にCSチームを持ち、かつただのサポートではなく、カスタマーサクセスを行おうとする企業が増えている印象が実感としてある。

まずは経営層にCSを重視しようとする意識の変化が見られ、もっとカスタマーの声を聞き、こちらからコミュニケーションをとりにいって、そのフィードバックを会社やプロダクトの方針を決める際に生かそうとする動きだ。

そうなれば必然的にCSには、これまで以上に多くのことが求められる。
売上をつくっていくのは何も営業だけではない。

CSは完全にマーケティングの重要ないち組織ひとつとなる
問い合わせに対して迅速に誠実に回答する、だとか、言われたご意見を関係部門に共有する、はもう言われなくてもやるレベルの話なので、もっともっとその先へいく必要がある。

バイアスが掛からない正直なご意見を聞くために、問い合わせの中から拾うのではなく、もっとこちらからアクションをとっていくし、アップセルさせるための施策を考えたり、営業部門ではないが、セールスを意識した動きをしていく必要がある。
それからプロダクトの改善についても、開発部門に伝えて終わりではなく、要件定義までこちらで行なったり、実際の開発の工程にCSも関わる方が良い。

そして、上記のような動きについて、チームの全メンバーが同じ方向性を向いて仕事する必要がある。誰かは嫌々やっているみたいな状況は好ましくなく、全員がやる意味を理解し、自発的に行えて初めてカスタマーサクセスができる

CS(カスタマーサポート)からCS(カスタマーサクセス)に変化させる難しさ

最初からカスタマーサクセスチームをつくったほうが、おそらく楽だ。

それは長らくカスタマーサポートをしてきたチームが、ある日を境に急にカスタマーサクセスチームに変わることは不可能に近い

サポートの人間には、サポートとしての習性みたいなものがサポート歴が長いほど染み付いている。
それに長く続けてきたことを、まったくこれまでとは違うようにやり方を変えていくことはとても難しい。

特にチーム内で、"これまでのカスタマーサポート"としての成績が良かったメンバーや経験が長いメンバーなどは特に「セールス色」が加わることを嫌がる傾向が強い

きた質問に答えることはできるけど、こちらから何かを提案することを苦手とするメンバーもいるだろうし、過去の経験からいって、「チームの方針にセールス的な要素を取り入れるなら辞める」という意見も出たりする。

完全否定のメンバーもいるし、ここまでなら何とかできるけど、ここからはできないというメンバーもいる。その一方で何でもOKなメンバーもいたりで、サポートからサクセスさせるチームに変える方針を伝えた後というのは、チームが内部分裂を起こすリスクがある点に注意した方が良い。

じゃあどうするか

チームに事前説明をしつこいほどに徹底、同意を得る

まずこれ。これが完了すればチームのカスタマーサクセス化は半分以上終わっている。

なぜカスタマーサクセスにする必要があるのか、今のままではなぜいけないのか、最低3ヶ月くらい前からしつこいほどにチームメンバーには説明したい。

そして、1on1を実施してそこでも説明する、そして疑問や不安を可能な限り解消し、全員からチームが今後、カスタマーサポートからカスタマーサクセスを行うチームに変わることへの同意を得る。

ついていけないメンバーの対処

ある程度、人数がいるCSチームであれば、中には必ずカスタマーサクセス化についていけず、辞めるor配置転換を訴えるメンバーが出てくる。
最悪、チーム内で腐ったミカン化するので注意したい。

先述したように、チーム全員が意識統一できていなければカスタマーサクセスはうまくいかない。
腐ったミカン化されるくらいなら、他部署への異動をまずは検討し、そして辞めるというなら特に止めないくらいで考える。

あとは別の方法として、CS部門をカスタマーサポートとカスタマーサクセスの2つのチームに分割する、という選択肢もある。
その場合、役割の明確化と連携など、色々考えないといけないのだが、詳細は割愛する。

でもまずは何より、ちゃんと方針について説明を何度でもしっかりして、腹落ちさせることが大前提だ。
それでもダメなら、ということ。

カスタマーサクセスの適正があるメンバー比率を徐々に増やす

最初から全てのメンバーがカスタマーサクセスに前向きで、全力で取り組んでくれるとは限らない。
なので、浸透に時間がかかることは覚悟すべき。

現に最初乗り気ではなかったが、やり始めてから、徐々に意識が変わっていったメンバーもいるし、カスタマーサクセスチームに変わった後でジョインしてくる新メンバーは始めからそっちに染められるので、やりやすい。

新メンバーが営業経験者だったりすると、かなりすんなりと馴染めるはずだ。

既存メンバーの意識を徐々に変えながら、新規メンバーの新しい血を入れ、徐々にカスタマーサポートの意識でいるメンバーをマイノリティにしていく。

人数が多いと時間はかかるが、根気よくやるしかない部分だ。

会社の上層部とマネージメント層の意識統一

これが以外とできてないことがあるのだが、社長含め会社の上層部と現場のマネージメント層、それから同じ部署内でもリーダーとマネージャー、部長など、管理者間での意識統一ができているかは重要だ。

管理者によって方向性が異なるとか、言ってることが違うという現象が起きて、配下のメンバー達は不信感を抱く。

チームメンバーに共有する前にここは擦り合わせしておくべきだろう。

完全なカスタマーサクセスチームになるためのロードマップの作成

何度も言っているように、すぐにカスタマーサポートからカスタマーサクセスチームには変われない。

だからこそ、「カスタマーサクセスチームになった」と言えるのはどうなったときかを考える。
そこに到るまでにどんな新たな業務が生まれ、逆に何を捨て、どんなアクションが必要で、何を準備し、チームをどう移行させるか、一連の流れをロードマップにしておくと整理しやすい。

特にやめる業務や新たな業務については、管理者間だけで考えて押し付けるのではなく、メンバー全員で考えていくことでより一体感と自走性が増す。

笑顔のカスタマーサクセスチームのメンバー

最後に

ここまできて何だが、本当にカスタマーサポートからカスタマーサクセスにチームを変えたほうが良いか、今一度考え直した方が良い。

それでも必要性を感じるなら、ぜひ取り組むべきだし、逆にそこまでの必要性はなく、ただCS業界がやたらサクセスサクセスいうもんだから、やってみるか程度では挫折するかもしれない。

先述したようにチームが壊れるリスクもある。

いろんな困難があるし、根気がいるし、何より経営層の理解と管理者間でこれでいく!という強い意志がいる。

長年培われた「カスタマーサポート」からの脱却は本当に骨が折れるものの、その分、変われてそして成果が出始めたときの感動は言葉で言い表せないと思う

そうなったらもう我々はコスト部門ではなく、誰でもできる仕事でもなく、徹底した攻めのCS、CS(カスタマーサクセス)チームになれたということだからだ。

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